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わたしを離さないで[2010] [映画感想]

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ノーベル文学賞受賞のカズオ・イシグロ原作同名小説の映画化。
クローン人間たちが臓器移植のためのドナーとして提供の時期が来るまで寄宿舎で育てられている。彼らの世界は閉鎖されており、校庭より外に出れば恐ろしい“死”が待っていると語り伝えられている。
主人公キャシー(キャリー・マリガン)とルース(キーラ・ナイトレイ)、そしていじめられっ子のトミー(アンドリュー・ガーフィールド)の三人はそんな施設で一緒に育った。


狭い世界に閉じ込められている人間にとって、「噂」というのは禁忌であったり、希望であったりするんやな。そして、それは常に真実とは限らないというより、ほとんどがデタラメだったりするのだけれど、語り伝える人たちにとってはこれこそが真実だという確信に満ちているものなんや。
実際、疑う余地のないものと信じられているものほど、ほんまは厄介なのかもしれん。これは単なるSF映画ではなく、現実に今生きている私たちもそんな「噂」に縛られて、それに気づかずに暮らしているのかもしれないと気づかせてくれる。なんでもネットで調べて、わかった気になっていても、そんなんただの根も葉もない噂に過ぎないんとちゃうやろか? このインターネットの中に全ての真実があると信じている人がもしいたら、それこそ不幸な存在やんか。検索結果は検索する人の履歴情報に縛られているし、そもそもインターネット上に存在している情報なんて、ただの噂の集合体やん。

言葉による情報は、書き手の想いと受け手の想いや知識経験が100%一致せんことには、本来の意図は伝わらへん。もちろん、玉石混淆の中には、我が意を得たりと感じられるものもあるだろう。しかし、それはあくまでも、情報の受け手が「そのように受け取った」というだけのことで、書き手の意図は別にあるかも知れんちゅうことや。どんなにもっともらしい情報でも、その語り手がどんな人間か、その生い立ちから理解していない限り、真実は見えない。いや、突き詰めれば、100%の「間違いのない真実」を語ることのできる人間なんて、どこにもおらんはずや。

もし、誰かの語ることの全てを理解できるなら、そして思うことの全てをその人に伝えることができたなら、その誰かは、あなたのクローンである可能性が高いと思うで! いや、違ごた。言葉による情報を全く同義に共有する為には、誰のクローンかという事より、どこかで一緒に生まれて育っていないとあかんねん。それはもう、自分自身以外にはおらへんやんな?



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タグ:クローン
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